2024年冬季発売分から改悪を遂げた『青春18きっぷ』は無用の長物なのか?

2024年10月、JRグループ各社が『青春18きっぷのリニューアル』として同年冬季以降の発売分を新規ルールに改正することを発表しました。

『青春18きっぷ』は簡単に言えば「JRの普通列車全線を乗り放題できるシーズン限定の切符」で、この久々のリニューアルは鉄道ファンのみならず一般の人々にも衝撃のニュースとして取り上げられ、巷では「改悪だ」という声が噴出しています。

さて、そんな18きっぷですが

「ルール改正で何がどのように変わったのか?」

「現行ルールの18きっぷはそれほどまでに使えないものなのか?」

18きっぷについてのあれやこれやをどこよりも詳しく解説します!

青春18きっぷの基本データ

まずはリニューアル前後で特に変化のない18きっぷの基本情報をJR東日本の『青春18きっぷ』の販売要綱の公式サイトに沿って解説していきます。

JR各社の普通列車及び快速列車を全線乗り放題出来るフリーパスタイプの切符。

気仙沼線・大船渡線・日田彦山線のBRT・JR西日本の宮島フェリーも自由に乗車可能。

・みどりの窓口又は指定席券売機にて購入可能。

・春季分は3月1日~4月10日、夏季分は7月20日~9月10日、冬季分は12月10日~1月10日に利用可能。(販売期間は2025年春季分は、3日分用が2月14日~4月8日・5日分用は2月14日~4月6日。)

・18きっぷの残り分を翌シーズン以降に繰越すことはできない。1シーズンの利用期間内で使い切り。

新幹線・在来線特急の乗車券として使うことはできない。新幹線・在来線特急は使いたい区間分の乗車券と特急券の両方が別途必要。

・基本的にJR線以外は乗車不可だが、一部の第三セクター鉄道(元JR線)は以下の4例のみ乗車可能。

  1. 青い森鉄道の「青森~八戸」間を通過利用・又は青森駅・八戸駅・野辺地駅で下車する場合
  2. あいの風とやま鉄道の「富山~俱利伽羅」間を通過利用・又は富山駅・高岡駅で下車する場合
  3. IRいしかわ鉄道の「俱利伽羅~津幡」間を通過利用・又は津幡駅で下車する場合
  4. ハピラインふくい線の「越前花道~敦賀」間を通過利用・又は越前花道駅・敦賀駅で下車する場合

・以上の特例は主に北陸地方において「第三セクター鉄道を使わないと出入り不可能な区間での救済処置」と考えておくとよい。

・18きっぷと同じ販売期間内に「北海道新幹線オプション券」を別途料金で購入することができる。

オプション券では「新青森~木古内」の区間のみで北海道新幹線の自由席・道南いさりび鉄道の「木古内~五稜郭」間がそれぞれ片道分で1日だけ、1回限り利用可能。

・オプション券は「18きっぷ(JRの普通列車)のみでは北海道に出入りすることが不可能」なため、その際の救済措置と考えておくとよい。

青春18きっぷのルールの変化

では青春18きっぷのリニューアル前後でどのように変わったのか、主な変更点を表にまとめました。

リニューアル以前の18きっぷリニューアル後の18きっぷ
販売価格5日分のみ販売で¥120503日用¥100005日用¥12050
利用日選択期間内なら好きな日程を自由に選べる使用開始日から連続3日or5日間のみ
利用可能人数1枚の切符で複数人利用可能1人のみ利用可能
1日分の効力0時回って最初の到着駅まで(超過分は別料金で清算)効力最終日の終電までどこでもOK
自動改札機非対応対応
オプション切符の対応区間奥津軽いまべつ~木古内新青森~木古内
オプション切符の値段¥2490¥4500

まず、目玉となる変更点は3日分の18きっぷが誕生したこと。

従来は5日分のみの販売でしたが「5日分だと余ってしまう」という声に応えた部分なのでしょうね。

ただし、5日分は1日あたり¥2410に対して3日分は1日あたり¥3334円なのでやや割高です。

そして、18きっぷのリニューアルが「改悪」と言われる最たる要因になったのが「利用日程」です。

従来はきっぷの有効期限内であればぶっ通しでなくとも好きな日に1日分ずつ使うことが可能でした。

このため、必要分だけを使って残りの分は金券ショップで売る・逆に必要分だけを金券ショップで買うという裏技も可能でした。(1日分だけ使った後の切符も、例えば春シーズンなら3月10日に売ればその切符は4月10日まで1ヶ月の有効期間が残されていたので高額で売却可能だった。)

しかし、リニューアル後は3日間または5日間ぶっ通しのみで利用可能となり1日だけ使いたいという場合には不向き、金券ショップで売ろうにもその切符の効力は長くても4日間なので高値はつかないというかなり不便なルールになりました。

逆にJR側としては「金券ショップでの転売」を防ぐための狙いで導入されたルールだと思われます。

更に地味に改悪になった部分が「1人でしか使えなくなったこと」です。

従来は1枚の18きっぷを最大5人で使う(1日分を5人で使って5日分)ことが可能で団体旅行でも格安の手段として利用可能でしたが、リニューアル後は1枚の18きっぷを使えるのは1人だけ。団体旅行にも不向きの仕様になりました。

・・・と、ここまでは「改悪」された点を挙げてきましたが、次は「改善」された部分を紹介します。

まずは、「自動改札機を通れるようになったこと」です。

従来は使用開始時に有人改札でハンコを押してもらい、改札を出る度に有人改札で切符を見せる必要があったため、主要駅では18きっぷユーザーで有人改札に行列が・・・なんてこともありましたが、リニューアル後はそんな必要もなくなりました。待ち時間なしで改札を出入り出来るようになったのはかなり大きな改善点と言ってもいいのではないでしょうか?

更に、「1日分の効力の拡大」も地味ながら改善点として挙げられる部分です。

従来は、「終電まで有効」ではなく「0時を回って最初に着いた駅まで」が18きっぷ1日分の効力で、それ以降の乗車分は別料金で清算しなくてはならないという日付をまたぐ列車を利用する際に少し複雑なルールが存在しましたが、リニューアル後は3日間ないし5日間ぶっ通しの効力なので日付をまたいでも終電までならどこで降りてもOK・効力最終日も終電までならどこでおりても18きっぷだけでOKという簡単なルールになりました。これは関東や関西などの大都市圏が目的地の場合は18きっぷで乗れる列車が数本増えたこととなり特に恩恵を受けられるメリットだと思います。

以上が主な18きっぷのリニューアルの内容です。

おまけとして「18きっぷで北海道に行きたい!」「18きっぷで北海道から出たい!」という方に向けて18きっぷオプション券の変更点を簡潔に解説すると「オプション券で乗れる新幹線の区間が拡大された代わりに料金が値上げした」ということです。

従来は「奥津軽いまべつ」という駅が対象でしたが、徒歩1分の乗換駅・津軽線「津軽二股」という駅が2022年8月の豪雨によって災害不通となりそのまま2026度をもって津軽線不通区間の廃線に伴い廃駅となることが決定してしまいました。

奥津軽いまべつ(津軽二股)まで在来線で行ける手段が事実上消滅・2026年で完全消滅することに伴い、「1つお隣の新青森から(まで)新幹線を使ってもいいよ」というオプション券になりました。

そうでなくとも「奥津軽いまべつ」は止まる列車が北海道方面も東京方面も1日7本のみというめちゃくちゃに不便な駅なので「新青森」で使えるようになったことで利便性自体はかなり向上しました。

新幹線を乗っていい区間が伸びた分料金も値上げしたオプション券。

正直言ってLCC使ったほうが絶対に安いし速いしよっぽどの物好き以外は使う価値0です。

リニューアル後の18きっぷをフル活用するコツ

結論から言うと、「改悪後も18きっぷは相変わらず破格の交通手段として活用可能」です。

5日分のぶっ通し利用は長期休暇中の学生などのかなり時間がある人以外は持て余してしまう可能性が高いため「3日分を金土日・土日月の3連休にフル活用」という作戦が個人的にオススメです。

「どうせぶっ通しでしか使えないのならそれを逆手に取って3連休での小旅行の交通手段を18きっぷで格安に済ませよう!」というコンセプトでいくつかのプランを考案してみました。

以下のように、東京駅を起点として18きっぷを利用する場合を設定とします。

3月15日にJR全線でダイヤ改正があるので改正後の時刻表も要確認。

CASE1 東京から前乗り&後帰りで広島を丸1日楽しむ!

行程1日目:東京駅から前乗りで広島まで鈍行で!

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18きっぷでの移動方法を検索するならジョルダンの18きっぷ検索がわかりやすくてオススメです。

「東京~広島」間なら4時5時台の始発でなくとも終電までに数本余裕を持たせて到着できるので、この時間通りでなくても、始発で向かって早めに着くも良し、始発で向かって食事休憩を挟みながらのんびり向かうも良し、移動日のスケジュールも割と自由度を持たせることができます。

このように、18きっぷで移動する際はギリギリのスケジュールで限界まで遠くに行くことを重視するよりも遅延などの不測の事態で数本乗り遅れてもいいように余裕を持たせたスケジュールを計画することを強く推奨します。(そうでないと途中で新幹線を使う必要が生じたり等、余計に交通費がかかることになりかねないので要注意!)

行程2日目:広島を丸1日観光!18きっぷで宮島にも訪問可能!

最初の見出しで記載したように、18きっぷでJR西日本が運営する宮島フェリーも利用することができるので宮島を含め広島市近郊を1日かけてたっぷりと観光することができます!(宮島訪問の際は訪問税として別途¥100円かかることには要注意)

厳島神社で参拝するもよし、繁華街で広島名物を食べ歩くのもよし、JR線で更に少し遠出して呉や廿日市などの郊外に出るのもよし、広島でのライブで推しに逢いに行くもよし!完全にフリーダムです!!

行程3日目:後乗りで東京へ帰る!

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東京なら0時台でも数本電車があるので、広島を8時台に出ても十分間に合います。

以上のように、前乗り後乗りで鈍行を長距離利用して2日目に丸1日遠方の都市を観光するという場面において連続3日分の18きっぷはフルに活用することができます!

どんなに遠くまで行っても3日分の交通費が¥10000で済むと思えばこれ以上安い手段は無いと断言できます。(参考までに東京~広島の高速バスはどんなに安くても片道¥7000はかかる。)

CASE2 土曜は大阪、日曜は岡山でライブ!全通ヲタクの旅行行程!

行程1日目:東京から大阪へ向かい、夜はライブで推しに逢いに行く!

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始発で東京を出れば大阪に着くのは14時台。夜からのライブであれば当日直行で十分間に合います!

ライブが終わったら大阪で宿泊。ちなみに筆者は宿泊費を安く抑えるためにネットカフェ(快活CLUB)を毎週のように使いました(笑)(需要があれば別の記事でまとめてみます)

行程2日目:大阪から岡山へ移動! ~推しのためならどこまでも~

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大阪~岡山であれば18きっぷユーザーなら近く感じますね^^

約3時間で岡山に着けるので大阪でまったりするも良し、早く岡山に到着して軽く観光をするも良し!

午後はライブで存分に楽しみましょう!

行程3日目:~ライブ後の余韻と共に~ 後帰りで東京に帰る!

広島~岡山間は実は結構長くて約100kmで所要時間は2時間半くらい。

そのため、岡山からなら9時台出発でも21時台に東京へ到着できます!

このように、土日にライブで長距離移動という場面でも3日分の18きっぷは重宝します!

これだけ移動しても交通費は¥10000ポッキリ!

かなり安いですよね!

要点まとめ

最後に要点をまとめます。

18きっぷのリニューアルでは改善された部分もあれば改悪された部分もある

リニューアル後の18きっぷは5日分よりも3日分がフル活用しやすくて良い

値段的には割高になったがフル活用出来れば相変わらず最も安い交通手段として使える

オプション券は利用区間が拡大したが値上がりした。使う価値はない。

18きっぷでの旅行の際は余裕を持ったスケジュールで遅延等に対応できるように計画すること。

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